青碧の魔術師(黄昏の神々)
「ねぇ、シュリ。そういえば、この国の王立図書館って凄いよ。国一番とか言われているけど、あれは世界一だよ。お前も一度見てみると良い」
「何をしに来たかと思ったら……」
『本当にこのふざけた親父は……』
シュリはふと昔を思い返していた。
それはシュリが、数えで七歳になった頃だっただろうか。
彼は母と離れ、父親と生活を共にしていた。
別にシュリの両親が不仲だった訳ではない。
どちらかと言うと、夫婦円満だ。
ただ、シュリの母が異常に忙しい人だっただけだった。
シュリの父親なのだが、彼は元々、ザイラスの人間では無い。
それどころか、この世界の人間ですら無い。
シュリの父は、異世界の住人であった。
地球と言う大地の、日本と言う島国の出身らしい。
シュリは地球には行った事はなかったが、沢山の話を父親から聞いていた。
シュリが住む森の中の屋敷も、父親がこちらに召喚された時に、一緒に運ばれて来たのだと、シュリは父親から聞かされていた。
シュリの父親が、何故この世界に召喚されたのか。
詳しい事は分からない。
ただ、彼がこの世界に来てから『魔術』が生まれたのは確かだった。
でなければ、シュリの父親が『創世の魔術師』と呼ばれる由縁が解らないからだ。
とにかく、シュリが言える事は、この父は、小さな子供にも容赦の無い、ふざけた性格の父親だと言う事だけだった。
『ていのいい、家政婦代わりだった気がする……』
シュリが子供の頃は、疑うと言う事を知らなかった為に、父親に散々な目に会っていた。
父親には悪気はない。
だが、結果的には息子に会う度に嫌な顔をされる立場になってしまった。
その父親のせいか、シュリ自身も、彼に負けないぐらい、癖のある人物になってしまった。
勿論。
シュリに自覚は無い。
「何をしに来たかと思ったら……」
『本当にこのふざけた親父は……』
シュリはふと昔を思い返していた。
それはシュリが、数えで七歳になった頃だっただろうか。
彼は母と離れ、父親と生活を共にしていた。
別にシュリの両親が不仲だった訳ではない。
どちらかと言うと、夫婦円満だ。
ただ、シュリの母が異常に忙しい人だっただけだった。
シュリの父親なのだが、彼は元々、ザイラスの人間では無い。
それどころか、この世界の人間ですら無い。
シュリの父は、異世界の住人であった。
地球と言う大地の、日本と言う島国の出身らしい。
シュリは地球には行った事はなかったが、沢山の話を父親から聞いていた。
シュリが住む森の中の屋敷も、父親がこちらに召喚された時に、一緒に運ばれて来たのだと、シュリは父親から聞かされていた。
シュリの父親が、何故この世界に召喚されたのか。
詳しい事は分からない。
ただ、彼がこの世界に来てから『魔術』が生まれたのは確かだった。
でなければ、シュリの父親が『創世の魔術師』と呼ばれる由縁が解らないからだ。
とにかく、シュリが言える事は、この父は、小さな子供にも容赦の無い、ふざけた性格の父親だと言う事だけだった。
『ていのいい、家政婦代わりだった気がする……』
シュリが子供の頃は、疑うと言う事を知らなかった為に、父親に散々な目に会っていた。
父親には悪気はない。
だが、結果的には息子に会う度に嫌な顔をされる立場になってしまった。
その父親のせいか、シュリ自身も、彼に負けないぐらい、癖のある人物になってしまった。
勿論。
シュリに自覚は無い。