青碧の魔術師(黄昏の神々)
ロンディア王国王立図書館
その頃、ある思惑を持って、エステルは王立図書館へと足を運んでいた。
『目に入れても痛くないだろう』と周りから言われる程のシスコンぶりを発揮する彼は、妹の真剣な思いに少しでも助けになれればと、密かにある計画を立てていた。
『成功すれば妹の喜ぶ顔が見れた上に、我が国も安寧を約束されたも同然……』
「魔人にくれてやるより、奴にくれてやる方が遥かにマシだ。大事な大事な妹なんだからな……」
『あの魔術師は一筋縄ではいかない男だ。伊達に長いこと生きていない……だから』
――念には念を入れなければ――
そう思いエステルはこの場に足を運んだのだ。
魔術師の事を調べる為に。
『青碧の魔術師』それは件の人物の詳細が、余りにも世間に知られていない、と言う事から単を発する。
この計画は、相手をよく知らなければきっと失敗に終わる。
だからエステルは、400年も昔の事が書いてある文献を閲覧しようと、世界一を誇るこの図書館にやって来たのだった。
――ロンディア王国王立図書館――
学問に力を入れている、イシスやエステルの愛する王国。
エステルにとって父の後を次、将来自分が治める国だ。
もし、イシスがシュリと結婚すれば、王国は青碧の魔術師と、姻戚関係を結べる事になる。
失われし魔道王国の技術。
その代表的な技術には、夜でも真昼の様に辺りを明るくする魔術や、馬がいなくても勝手に走る馬車が有ると言う。
実際には、それら以上の技術がザイラスには存在したが、こればかりはエステルのあずかり知らぬ事であった。
「史実の様な魔術を学ぶすべが、我が国にも欲しい……」
エステルは、根気よく持ち出し禁止の本の棚を探していった。
程無くして彼は、一冊の本を見つけ出した。
比較的新しい装丁の本で『ザイラスの魔術師、魔女一覧』と言う題名で、著者は『ヒューイ=ラング』とある。
パラパラとめくってみたが、そこには魔術師と魔女の名前に二つ名、そして王国に仕えた任期が記しているだけだった。
「やはり、見つける事は困難なのだろうか……」
『目に入れても痛くないだろう』と周りから言われる程のシスコンぶりを発揮する彼は、妹の真剣な思いに少しでも助けになれればと、密かにある計画を立てていた。
『成功すれば妹の喜ぶ顔が見れた上に、我が国も安寧を約束されたも同然……』
「魔人にくれてやるより、奴にくれてやる方が遥かにマシだ。大事な大事な妹なんだからな……」
『あの魔術師は一筋縄ではいかない男だ。伊達に長いこと生きていない……だから』
――念には念を入れなければ――
そう思いエステルはこの場に足を運んだのだ。
魔術師の事を調べる為に。
『青碧の魔術師』それは件の人物の詳細が、余りにも世間に知られていない、と言う事から単を発する。
この計画は、相手をよく知らなければきっと失敗に終わる。
だからエステルは、400年も昔の事が書いてある文献を閲覧しようと、世界一を誇るこの図書館にやって来たのだった。
――ロンディア王国王立図書館――
学問に力を入れている、イシスやエステルの愛する王国。
エステルにとって父の後を次、将来自分が治める国だ。
もし、イシスがシュリと結婚すれば、王国は青碧の魔術師と、姻戚関係を結べる事になる。
失われし魔道王国の技術。
その代表的な技術には、夜でも真昼の様に辺りを明るくする魔術や、馬がいなくても勝手に走る馬車が有ると言う。
実際には、それら以上の技術がザイラスには存在したが、こればかりはエステルのあずかり知らぬ事であった。
「史実の様な魔術を学ぶすべが、我が国にも欲しい……」
エステルは、根気よく持ち出し禁止の本の棚を探していった。
程無くして彼は、一冊の本を見つけ出した。
比較的新しい装丁の本で『ザイラスの魔術師、魔女一覧』と言う題名で、著者は『ヒューイ=ラング』とある。
パラパラとめくってみたが、そこには魔術師と魔女の名前に二つ名、そして王国に仕えた任期が記しているだけだった。
「やはり、見つける事は困難なのだろうか……」