恋、来い、請い
千衣SIDE
「ねぇ・・・一葉」
久しぶりに一葉に話しかけた。
心臓が今にも
張り裂けそう。
振られてから
嫌われてないか
ウザがられてないか
心配でたまらなくなった。
そのせいか、一葉と話す機会も一気に減って
会話を選ぶようになった。
「・・・・・・・・・・・何」
明らかに今までと違う態度。
いつもなら何も言い返せないけれど
今日は頑張ろうと思う。
「今日・・・家に来てくれない?」
私は一葉のこと、何も知らない。
私のことは話したけれど
一葉のことは何も知らないんだ。
だからちゃんと知りたい。
少しでも知ることができたら・・・
「いいよ」
「・・・幻聴?」
「いや・・違うけど」
嘘じゃない?
「えっと、じゃあ今日・・真っ直ぐ来てもらっていい?」
「えーと・・・いいよ」
「じゃ、じゃああとでね!!」
足早に立ち去った。
よかった
断られるかと思った
普通に話せた
とりあえずよかった・・・。