恋、来い、請い

***

授業3時間目
一葉はまだこない。
遅刻するのは何回かあったけど
こんなに社長出勤なのは考えてみれば初めて、なのかも。

何をこんなに気にしているのだろう?
そこまで不安になる要素なんて
どこにもないのに・・・

あー・・・考えすぎていらいらしてきた・・。

不意に黒板を見る。
後ろから3列目だからか、青い文字が見えない。
と、教科担任の間違い発見。
「先生そこ、CO2じゃなくてCO3ですよ」
なんていいたいけれど
ここからじゃ遠すぎるなぁ

「センセーそこ!!二酸化炭素じゃなくてオゾンですよー!!」
そう言ったのは右斜め後ろの門田、・・・・だっけ?
名前は覚えていないけど心の中で拍手。

ありがとう、君のおかげで心がすっきりしたよ。

「あー・・・それは本当だが
お前に言われたくないなぁ」

「ちょ、それじゃあ俺ダメな人みたいじゃないですか!!
・・・あ、そーいえば安藤どうしたんすか?」

私の心が見透かされてるような質問ばっかりしてない?
顔に出てる?
いや、出ていたとしても門田のほうが後ろだから
見えないか。

「あー安藤、安藤ね。」

教科担任(理科)は学級担任でもある。
ので一葉画なんで休んでいるのかは知っている筈。
なのにもったいぶっている。




「安藤はなぁ・・・多分引越しの準備だと思うぞ」


 
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