恋、来い、請い

まあ結局ぽつぽつと会話をしたけど
やっぱり何も話さなかった時間の方が多かった気がする。

私の家に着くとリビングにはお姉ちゃんがいた。

「お姉ちゃん」
雑誌でも読んでたんだろう、声をかけたらバサッていう本を閉じた音が耳に届いた。


「おかえり!え、その子かわいい♪」
「こんちは、千衣のクラスメイトです」
うちの姉はなんて表情豊かなんだろう…
一葉のその言葉を聞いた瞬間にパアッと顔が驚きと喜びに包まれていた。
「どぅも♪」
ルンルンしながらにやにやする姉を私は殴りたい、今すぐ。

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