恋、来い、請い
気持ち 5%
― 体育の時間 ―

いつも通り女子から声援を受けている
朝比奈 千衣です。
ちょっと前に知ってしまった
一葉の秘密。
僕と似たようなものだけど
彼女・・・いや彼は






だった。



一葉の周りに軽く人が集まる。
(しかも男子)
残念だったね〜その子は正真正銘の男だよ。
確認はしてないけど。
面倒くさいからしないけど。

僕本人も女の子に囲まれてるから
なんともいえないけど。


なんか面白くて笑ってしまう。




「な〜ににやけてるんだよっ!!千衣っ♪」
「うおっ…驚かなさないでよ」
いきなり零久斗が後ろからのしかかってきた。
そして僕の視線の先をまじまじとみる。


「・・・・・・・・・・・一葉ちゃん見てたの?」
「・・・・・まぁ」
というか最近まで安藤って呼んでなかったけ?

「一葉ちゃん可愛いよね〜・・・惚れた?」
「べっ・・・・つに・・」
「ふ〜ん?じゃあオレ狙ってみよっかなぁ〜」
流石にそれはヤバイ。
零久斗は元々ひどいのに
ホモになってしまう。

「やめといたほうがいいよ・・・」
「え?なんで?」
男じゃないんだからさ、と言って僕に抱きついてくる。



いや、男だよ・・・。




そして今、零久斗が抱きついているのが
女だよ。


「おい、ちー!!」
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