恋、来い、請い
「・・・・・・・・・・・・だれ?」
今にも泣きそうなのを
我慢している顔だった。
それでも続けよう。
「それはね~・・・・」
『この学校にいる女の子みんな』
そう言おうと思ってた。
と言うか、一葉には
『漫画のキャラとかでも言っとけ』
って言われた。
その両方、今、何故かしっくり来ない。
『がんばれ』
そう言ってくれた一葉のことだけが
脳裏に浮かぶ。
入学式の日
『オダンゴ』って言っただけで
タンカきられたこと。
自分が女だって言ったときに
一葉も自分のことを言ってくれたこと。
そこから仲良くなった。
いつの間にか、一葉が自分の
心の支えになってたのかもしれない。
「・・・・・・・・・・・一葉、かな」