恋、来い、請い
「うーん・・・。せっかく黙ってたのに・・・」
自分の後ろから、聞きなれた声がした。
「一葉、いつからいたのさ?」
「教室からずっと尾行だよ。おかげで腹ヘリ。」
「ストーカーは立派な犯罪ですよ?」
「うっせぇ」
一葉が自分の制服で私の涙をふく。
「昨日から結構ゴチャゴチャしてんだよなぁ・・。
でも、今スッキリしたわ。」
一葉が女の子のほうを向く。
「なぁちー・・・こいつら殴っていい?」
「え?駄目でしょ」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「そもそもハンカチないの?
制服はあと2年も着るんだよ?」
「かんけーねぇだろ!!」
こっちを振り返って怒る一葉。
本当は心配してくれてる。
ごめん。でもありがとう。
「まぁ・・・そういうことで
僕は一葉を好きだからごめんね?」
「う゛・・・・・・」
「おかげさまで
格好つかなかったじゃないっすか」
「え?だって格好いいのは一葉じゃなくて
僕でしょ?」
「・・・・・殴るよ」
女の子たちがいなくなって
二人だけで話す。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
何故かいきなり沈黙が走る。
えーと・・・・何話せばいいのかな・・・?
「・・・・・・・・あのさぁ・・・ちー」
「え?あぁ・・・なんでしょうか?」
「落ち着けよ。」
そうだ、落ち着け朝比奈千衣。
「返事してなかったよな?」
「・・・・・・・・・何の」
分かっているのにあえて訊く。
「その・・・・・告、白・・・の?」
「今してくれるの?」
自然と笑みがこぼれる。