恋、来い、請い
「・・・・・・・・一葉ちゃん?」
「・・・・え」
班員の女子に声をかけられて我に返る。
そうだ、今は数学の時間だ。
「大丈夫・・・・?」
おずおずと訊いてくる女子は
海藤梓
一応男のウチから見ても
結構可愛いほうだとは思う。
「あぁ・・・・多分?」
「そう・・・」
ホッとしたような顔をして
またおずおずとしている。
「あ、あの・・・・っ」
「ん?何?」
「これ・・・・一葉ちゃんに、だって」
先生に見つからないように海藤さんは
ウチに手紙を渡した。
渡されたのは
一枚の手紙。
柄とかは一切なくて
可愛げの欠片もなかった。
だれだよ・・・・。
元々ついていけない数学の時間に
送ってくるなよ・・・・。
手紙(らしきもの)を開くと
案の定ちーからだった。