恋、来い、請い
「一葉って自分のこと本当は俺って言うんだね・・・。」
言った瞬間に見つかった。
いいことなのか、悪いことなのかは分からない。
「新しい一葉発見。」
そう言ってでこを人差し指でつつく。
そしてまた優しい笑顔。
そーゆーことを言うな。
どんな態度を取っていいか分からなくなる。
どんどん分からなくなって
自分すら分からない気持ちに
素直になってしまう――・・・。
「ウチはちーのこと今日初めて知ったよ」
ちーの体がビクッとする。
目も自然とそらされている。
それだけ嫌な思い出だったんだ。
「ありがとうな。辛いこと教えてくれて。」
しゃがみこんで小さくなったちーの頭を
ウチは初めてクシャクシャと撫でた。
なれない感じにちーも
そしてウチも
ドキドキした。