%完璧なケータイ小説%

「窓を開け放してたんじゃないですか?」


「そんなことしていないわ!

またどこかの壁に穴でもあいてるんじゃないの!」


私のことを、胡散臭い目で見ると、

担当者は適当な返事をして帰って行った。

帰り際、携帯電話で、

『クレーマーですね』

と報告する担当者の声を聞いて、

私は怒りに我を忘れて怒鳴りつけた。


「誰がクレーマーなのよ!

私は、完璧な家を求めてこの家を買ったのよ!

ちゃんと修繕してちょうだい!」


「ですから、

それは無理なんですよ。

完璧な家なんて、あるわけないじゃないですか」


担当者は、聞こえよがしに、はあ~と大きなため息をつくと、

何もしないまま、帰っていった。


< 313 / 438 >

この作品をシェア

pagetop