%完璧なケータイ小説%
家の修繕には、建築した業者ではなく、
シロアリの駆除を頼んだ業者に探してもらい、
信頼の置ける地元の大工さんに頼んだ。
まったく、あんな建築業者など、
二度と使うもんか。
手配された大工さんに
お茶を出すと、
ベテランのその男性は、
ベランダを修繕しながら、
独り言のようにつぶやいた。
「最近は、
歴史の重みってのを感じない若いのが増えたなぁ。
安さだけを追い求めたり、
うわべだけを飾ろうとして、
新しい工法だの、
外国の家だのを簡単に建てるが・・。
家ってのは、
その土地土地の、風土や気候を考えて、
長年培われたノウハウで建てるのが、
一番安心なんだがな。
古人の教えを守れば、
もっとも長く、住みやすく暮らせるってのに・・」