%完璧なケータイ小説%
マリアンヌの優しい声が俺の名前を呼ぶ。
それだけで、俺は今まで俺の生きてきたくだらないと思っていた人生が、
ばら色に輝いた気がした。
「マリアンヌ・・・」
俺は、彼女の鼻先に、自分の鼻を寄せて呟いた。
「明日も、
明日もきっと来いよ。
俺、お前を待ってるから」
「ケン」
彼女のぬれた瞳に俺の顔が映っている。
道に迷った彼女が、ごろつきに絡まれているのを助けた俺。
俺は運命の赤い糸の存在を感じずに入られなかった。
家の前まで送ると、彼女は何度も俺を振り返りながら
切なそうな青い瞳で俺を見つめた。
夕闇の中で光る彼女の美しい瞳に、俺は魅入られたまま、
彼女の姿がなくなってもしばらくその場を動くことができずにいた。