天然女×一途男
『分かったあ!』
電話が切れた途端、慌てて部屋に入ると、まだ少し怒った顔の宮内さんがこちらへ歩いてきた。
「聖夜君、君ね、ちゃんと場をわきまえて‥‥」
「電話!殺到らしいです!!」
「…………は?」
宮内さんも佐藤さんも女も訳が分からない、という顔で俺を見つめていた。
「今、楓華…いや、幼なじみから電話あって、あっちの事務所にこの男は誰だ?って電話が殺到らしいです!」
興奮気味に話すと、3人とも驚いた顔をしていた。
「思っていたより早いな…」
「そうですね。これは宣伝効果抜群ですね」
宮内さんと佐藤さんは嬉しそうに顔を見合わせていた。