好きだから、別れよう。



「ぅ…え!?…ア、アヤ!?」



これにはさすがのマサキさんも驚いたみたいで、いつもの低い声とはちょっと違う、上擦った声で私を呼んだ。



「へへ。なんか……しちゃった」





これが『キス』と呼べるものなのか、したことのない私にはわからない。



でも…なんだか不思議な感じがした。



いつもはマサキさんの名を呼ぶだけの私の唇で、

マサキさんに触れたくて仕方なかった。












「…ほっぺだけ?」



パレードのイルミネーションに照らされながら、マサキさんはじっと私を見つめた。



「ぇ…え!?」



自分の気持ちの向くままに、マサキさんの頬にキスした私は、

さっきマサキさんが私に…『キスしたい』って言ってたことを思い出した。







.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.
< 134 / 222 >

この作品をシェア

pagetop