好きだから、別れよう。
「アヤだけずーるーいー!!俺もしたいもん」
マサキさんはわざとらしく頬を膨らませて、横目で私を見る。
こんな仕草も、かわいい…
…なんて、言っている余裕もなく。
「ぇ…えと……じゃあ、マサキさんもほっぺにして…?」
恥ずかしさを必死に抑えて提案したけれど、マサキさんは納得してくれない。
「やだっ!女の子であるアヤが、俺に…ほっぺにちゅーしたんだぞ?男の俺もほっぺにちゅー?そんなの、男が廃る!!」
よくわからない持論を展開して、マサキさんは私を見た。
マサキさんの真剣な眼差しが、真っ直ぐに私に刺さる。
そして、
不意に近付いて、耳元で……
「…こーゆーことは、男の俺にリードさせるの。」
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