好きだから、別れよう。
マサキさんは私の頭を撫でたまま、パレードに目をやった。
「アヤ、ほら!ミッキーが手ー振ってるぞ!!」
小さい子に話しかけるような、優しい声。
「…サキ…さん…」
「すげーなぁ!!アヤはミッキーとミニーなら、どっちが好き?あ、でもやっぱり一番はキティーちゃんか…」
「マサキさん!!」
勢い余って大声を出してしまった私に、マサキさんは目を丸くした。
「おー、ビックリしたぁ!アヤ、どした?」
私を覗き込む表情が、好き。
うまく言えず、マサキさんのシャツの裾を引っ張りながら、マサキさんを見上げた。
「ぅわっ!…アヤ、その顔で見つめないで!ヤバイ…」
マサキさんはさっと目を逸らす。
「えっ?ヤバイって…なんで?」
意味がわからず、更に服の裾を引っ張ると、
マサキさんが、私を抱きしめた。
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