好きだから、別れよう。
「もー…我慢してんだからっ。アヤにそんなかわいい顔して見つめられたら、また発情期がきちゃうの!」
マサキさんは私の背中で手を組んで、ふーっとため息をついた。
「……よ…」
「え?」
マサキさんの胸に顔を押し当てながら喋った私の言葉は、マサキさんには届かなかったようで。
私は顔を上げて、もう一度言った。
「…いいよ…キス……したい…」
だいぶ長い沈黙の後で。
「………え゛っ!?」
マサキさんは驚いた声をあげた。
そして…
「アヤ。発情ってのは冗談だから!無理して俺に合わせようとしなくていい。アヤが本当にしたくなったときでいいから」
「無理なんてしてない!」
私はマサキさんの手を握った。
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