好きだから、別れよう。





マサキさんと、『隣の車両デート』ができるのは、ほんの2駅の区間だけ。



あっという間に私の高校の最寄り駅に着いて、私はホームに降り立った。



ホームから電車を見て、マサキさんに手を振った。



マサキさんは笑顔で手を振り返してくれるけど、

私の姿が見えなくなると、スッと背を向けてホームとは反対側を向いてしまう。







なんか…ちょっと、寂しい。





人を好きになると、こんな小さなことまで気になっちゃうんだって、自分でもビックリした。





ずっとこっちを見ててほしい、なんて思うのは…

やっぱり、ワガママなんだよね…?









「なぁ〜に難しい顔しちゃってんの!」





過ぎ去った電車の面影を見つめながら考えていると、勢いよくお尻を叩かれた。







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