好きだから、別れよう。
学校に向かう途中、リカコと話しながら…たくさんの人にすれ違う。
同級生、出勤途中のサラリーマン風男性、小さな子供を連れたお母さん。
そのたくさんの人の中から、いるわけないのに…マサキさんの姿を探してしまう。
今頃、会社に着いたのかな?
休み明けで、忙しいんだろうなぁ。
ふぅってため息つきながら、休憩のときには片手でネクタイ緩めたりして。
あぁ、もう……
さっき顔を合わせたばっかりなのに、
もうマサキさんに会いたくなってる。
心の中がマサキさんでいっぱい。
「…っと!ちょっとアヤ!聞いてる!?」
リカコの鋭い声で現実に引き戻される。
「え?あ、ぇ…と……。ごめん、聞いてなかった…」
リカコは苦笑いをしながら私の肩を肩で押して、
「だいぶ重症みたいね〜。この病気はなかなか治らないよ?『恋の病』って言うほどだからね」
そう言って、真っ赤になった私の頬をぷにぷにと指で突っついた。
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