好きだから、別れよう。



私がちょっとむくれていると、マサキさんの左手が私の頭に乗った。



「だってさ?アヤの大親友に初めて会うのに、『えぇっ、こんな人が彼氏!?』って思われたらいけないだろ?」



「そんなこと思わないもん」



そっけなく返事をして助手席側の窓を見ながら口を尖らせる私。






赤信号で車が止まると、
マサキさんは私の顔を覗き込みながら、髪を上から下へなぞるように頭をなでて、



「なに、その口は『チューしてほしい』ってこと?」



と言って、ニヤッと笑った。








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