好きだから、別れよう。



うちはお母さんも吸わないし、マサキさんも吸わないから、

私はタバコのにおいがあまり好きじゃない。



「アヤ?大丈夫?」



私の表情から察したのか、マサキさんが私の顔を覗き込んだ。



「禁煙席にしてもらうか?」



シンヤさんには聞こえない、小さな声で。



「…ううん、大丈夫。マサキさんは?タバコのにおい、平気なの?」



私の問いかけに、マサキさんは私のおでこをつつきながら答えた。



「俺は平気。会社で吸ってる人、いっぱいいるしね。実は俺も昔、吸ってたし」



「えー、そうなの!?見てみたかったなぁ」



「バーカ。今吸ってたら、タバコのにおいでアヤに嫌な思いさせるからヤダよっ」



マサキさんはベッと舌をだして、無邪気に私に微笑んだ。








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