好きだから、別れよう。
「あ…あの…。助けていただいて、ありがとうございました!」
一緒にホームまで降りてくれた彼に、私は一生懸命頭を下げた。
伝えきれないくらいの感謝を、どう伝えたらいいかわからなくて…。
彼はそんな私を見て、クスッと笑うと、
私のおでこにデコピンをした。
「いたっ」
「次からは、ちゃんと女性専用車両に乗ること。
通勤ラッシュんときは、あーゆうの多いから。
いい?約束。」
彼は、私をデコピンした右手を翻して、私に小指を差し出した。
「ホラ、約束。」
催促されて、私もゆっくりと右手の小指を差し出す。
私の小指と彼の小指が絡まって、
私の心臓、小指にあるんじゃないかってくらい、
ドキドキ
ドキドキ
震えてた。
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