好きだから、別れよう。
いつものように助手席に乗り込むと、つけっぱなしだったラジオから洋楽が流れてきた。
聴いたことはあるけど、歌詞も全然わからないし、題名も歌ってる人もわからない。
でも、心地良い曲。
「知ってる?この曲」
真っ直ぐ前を見ながら、マサキさんが左手でボリュームを上げた。
「聴いたことはあるけど、タイトルとかわかんない」
「BACKSTREET BOYSの、I Want It That Wayっていうんだよ」
「あいうぉんといっと…。なんて言ってるかわからないけど、素敵な曲だね」
私がマサキさんを見上げると、マサキさんは前を向いたまま微笑んだ。
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