好きだから、別れよう。



「うわぁ〜…」



なんだか不思議な感じだった。



マサキさんの部屋は、本当に『男の人の部屋』って感じで、



ドーンと置かれた黒いソファーに、ドーンと置かれたガラスのテーブル。



壁際の黒のローチェストの上には、無造作に置かれた書類や鞄。



乾いたばかりなのか、シワシワなワイシャツがハンガーにかかっていて、



窓際の水色のカーテンが、爽やかに揺れる。



「あんま、見ないで。汚いでしょ」



マサキさんは冷蔵庫から烏龍茶のペットボトルを取り出して、氷の入ったグラスに注いでくれた。



「ううん、すごくシンプルでマサキさんらしい部屋!……あ、でも、これだけはちょっと意外かな?」



マサキさんが差し出してくれた烏龍茶を受け取りながら、私はガラステーブルの下のラグを指差した。






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