好きだから、別れよう。
テーブルの下の、黄色いラグ。
シンプルなマサキさんの部屋にはちょっと不釣り合いな、可愛らしいクマさん柄。
「あぁ、それ…安かったから」
グラスの氷をカラカラと鳴らしながら、マサキさんが烏龍茶に口をつける。
「そっかぁ。あ、ワイシャツにアイロンかけようか?」
私も真似して烏龍茶を一口飲んでから、ハンガーにかけられたストライプのワイシャツを指差した。
「いいよ、そんなの。それより、ほら…」
マサキさんは少し身体を伸ばして私の服の裾を掴み、マサキさんが座るソファーへと誘導した。
ドキドキしながら、マサキさんと少し離れて座る。
ちょうど、車の運転席と助手席くらいの距離。
それを見て、マサキさんがくすくす笑った。
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