好きだから、別れよう。
「つかまえた」
マサキさんのにおいがふわっとして、私は顔が熱くなるのを感じた。
「アヤ、ドキドキしてる」
耳元でマサキさんの声がするから、私の心臓は余計に速くなる。
「だ、だって…」
「だって、なに?」
マサキさんの唇が、そっと私の唇と重なった。
「……っ…」
それ以上、私はなにも言えなかった。
マサキさんの唇が、私の身体を溶かすようなキスをする。
時々、ほっぺ。
時々、耳にも。
唇同士が触れ合うのもドキドキするけど、他の場所はもっとドキドキする。
知らなかった。
こんなドキドキ。
もっと知りたいようで、でも…少し、怖いような気もする。
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