好きだから、別れよう。



「あはは、やりすぎたかな?」



マサキさんはいつものように、爽やかな笑顔だった。



「マ…マサキさん…って……S…?」



まだ呼吸が整わない私とは逆に、マサキさんは余裕の表情で烏龍茶を飲む。



「あれ?今頃気付いた?」



「キャーッ!!」




マサキさんの言葉を聞いてわざとソファーの隅に避難したら、

マサキさんはゆっくりと私の横に座り直して、私の頭に手を乗せた。



「あはは、大丈夫。今日はここまで!…安心して。アヤがしたくないことは絶対にしないって言ったろ?」



マサキさんの顔をちらっと見ると、さっきまでのキス魔の姿はどこにもなくて、

いつもの穏やかなマサキさんが私を見つめていた。







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