好きだから、別れよう。
でも、マサキさんの食いつきドコロは違ってて。
「…アヤの卒業式には…お母さんが見に来るの?」
「えっ?卒業式?
えっと…多分来ないと思うよ。平日のお昼って言ったら、必ずってくらい仕事だし。中学の卒業式も高校の入学式も来てないしなぁ」
「そっか……」
マサキさんは膝の上で手を組みながら、テーブルの一点を見つめていた。
それは、すごく真剣な目で。
私が軽々しく話しかけられないくらい、張り詰めた雰囲気だった。
……しばらくして。
「アヤ、嫌じゃなかったら、俺が卒業式…見に行こうか?」
マサキさんの口から出たのは、意外な言葉だった。
.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.