好きだから、別れよう。



「え、えぇっ?」



あまりにも予想していなかった言葉に、思わず声が裏返る。



「や、あの…嫌だったらいいんだけど。ただ、入学式にも卒業式にもご両親が来てないなんて…なんか…」



「マサキさん……」



なんだか、胸がぎゅぅっとなった。



普通、ここまで考えてくれる?



『彼氏』って、こんなにも『彼女』のことを、深く深く考えてくれるの?





ううん、違う。



『普通』なんじゃないよね。



『マサキさんだから』、ここまで…私のことを考えてくれるんだよね。





「マサキさん…嫌なわけないよ。嬉しい…」



私の潤んだ視界に、ぼやけたマサキさんの笑顔が見える。






嬉しい。



嬉しいよ、本当に。



マサキさん……



あなたは、私には勿体無いくらい……



本当に本当に、素敵な方です。






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