好きだから、別れよう。


私の心臓が高鳴るのがわかって、

私は無意識に目を逸らしてしまった。



…あぁっ!
私のバカ!!
せっかく目が合ったのに!!!



ドキドキしながら、もう一度ゆっくりとマサキさんの方を見てみる。




…あ。

マサキさん、まだこっちを見ていてくれてた。




私は手足が震えるくらいのドキドキを隠しながら、マサキさんに頭を下げた。



『昨日は、本当にありがとうございました!』



隣の車両の彼は、私の無言の仕草の意味を感じ取ったようで、


私に見えるように、右手の小指を立てて微笑んだ。






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