好きだから、別れよう。



『約束、ちゃんと守ったんだな』



そう言ってくれているようだった。



私も、右手の小指を立てて、マサキさんに向けた。



『ちゃんと守りますよ〜!』



別々の車両で、お互いの声が聞こえるわけなんてないんだけど。


でも私とマサキさんは、『ふたりだけにしかわからないサイン』で


ちゃんと会話していたんだ。








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