好きだから、別れよう。



――放課後。


私とリカコは駅の近くのファミレスに向かった。


太陽はだいぶ西に傾いてきてたけど、まだ激しく肌を焦がす。


ファミレスの店内は冷房が効いていたけど、それでも暑くてキティちゃんの団扇で扇いだ。






「とりあえず、ケー番とメアドをゲットしないとね〜」


ドリンクバーとポテトを注文し、グラスに注いだメロンソーダにストローを挿しながら、リカコが言う。



「ケー番かぁ…どうやって聞いたらいいんだろ」


「ストレートにいくしかないんじゃない?とりあえず電車で毎朝会えるんだし」


「でも、私女性専用車両に乗るって約束したから、一般車両乗れない…話せないよぅ…」



うーん。



ふたりとも考え込んで、沈黙が流れる。







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