好きだから、別れよう。



「その『約束』を破らないためには、話す時間はあんまりないね…」


リカコがメロンソーダを最後まで飲み干す。


「じゃあさ、紙にアヤのメアド書いて、マサキさんに渡したらどう?」


「え〜、『好きです』って言ってるみたいで恥ずかしいよ〜」


私もQOOのオレンジを飲み干した。


「なーに言ってんの!恥ずかしい恥ずかしいって逃げてばっかじゃ、何も進まないよ!
チャンスは自分から掴みに行かなきゃ!」


そっか…

自分から

掴みに行く。



「…うん、そうだよね。わかった、リカコ。私頑張る。明日の朝、渡すよ!」


「よし!よく言った!ホラ、決心変わらないうちにここでメアド書いちゃえ!」




私は鞄の中からキティちゃんのメモ帳を取り出し、震える手で自分のメアドを書いた。



【先日は助けていただき、ありがとうございました。
もしよかったら、連絡ください。 櫻井アヤ】



リカコが「ダラダラ長い文章だと重いよ」と言ったので、できるだけ簡潔に書いた。







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