好きだから、別れよう。



「いーなぁ、あたしも恋したーい!」



リカコは頬杖をついていた右手で、ドンドンッとテーブルを軽く叩いた。





それから私達は、学校の話やくだらない話を延々と話した。



リカコと登校時間以外でゆっくり話すのは久しぶりで、すごく楽しい時間だった。



あっという間に時間が流れ、気付いた時には夜の8時近かった。



「わっ!もうこんな時間じゃん!アヤ、ちょうどいい電車ある?」



私は慌てて電車の時刻表を調べる。



「あっ!あと10分で発車の電車がある!」


「マジ!?急げ〜!!」



私とリカコは急いで会計を済まし、駅に向かって走った。


ファミレスの外の空気は生暖かくて、肌に纏わり付く感触が夏を思わせた。







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