好きだから、別れよう。



結局、その日メールは…


来なかった。







私は家に着くなり、自宅の電話からリカコのケータイに電話して、今の出来事を報告した。


自分のケータイを使わなかったのは、もしリカコと電話中にマサキさんからメールが届いても、すぐに気付けるように。



私は興奮ぎみにリカコに話すと、リカコは自分のことのように喜んで、


「よくやった、アヤ!あとはマサキさんからのメール待ちだね。
あ、もしかしたら明日の朝、電車の中でアドレス交換するかもしれないんじゃない!?」


と言った。




そっか…

そうかもしれない。

でも、きっとマサキさんのことだから

電車内でケータイ、使わないんだろうな。

優しい人だから…。







私はリカコと2時間近く話して電話を切り、枕元にケータイを置いて布団に入った。



いつもはサイレントモードに設定するけど、今日はマナーモードを解除して。







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