好きだから、別れよう。



私は2駅乗ると、電車を降りる。

そこが学校の最寄駅なんだ。

もっと同じ電車に乗って、同じ空間にいたいんだけど…学校だから仕方ない!



だから、そんな自分にちょっとだけご褒美。

電車を降りても、私はすぐに改札に向かわずに、ホームに居続ける。

彼の乗った車両の目の前のベンチに座って…

団扇でパタパタして、休憩してるフリをしながら、彼の乗った電車を見送る。



私に背を向けたまま、だんだんと遠くなっていく彼を見るのは、

ホントはすごく哀しいんだ。

「また明日の朝まで会えないや…」って。

涙が出そうになる。



だけどね、扉が閉まって、だんだん小さくなっていく彼に、

心の中で

「いってらっしゃい」

って言うんだ。



それが、なんだかちょっと、


幸せ。





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