好きだから、別れよう。
…『好き』?
俺のこと、好き?
確かに、そう言ったのが聞こえた。
…でも、歳をとると、なんだか自分に自信が持てなくなってくる。
確かにそう聞こえたけど、もう一度しっかりと聞きたい。
俺は、何事もなかったかのように、アヤちゃんの方を向いた。
「ん?何か言った?」
俺はもう一度アヤちゃんの告白の言葉を待っていたけど、アヤちゃんは恥ずかしそうに俯いてしまった。
「…や…何でもない…です……」
え…
えぇぇぇぇぇぇぇっ!?
そ、そんな…。
返す言葉が見つからないまま、見物客が帰り始めたので、俺も車を動かした。
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