好きだから、別れよう。



――何を考えてるんだ、俺は。





自分の頭の中に浮かんだ煩悩を一生懸命消し去り、俺はアヤちゃんに明るく言った。



「じゃあ、少しだけ夜遊びな!」



アヤちゃんは嬉しそうな笑顔を見せた。



俺の好きな、無垢な笑顔のアヤちゃん。






この笑顔を独り占めしたい。









俺は小さな公園に車を停めて、アヤちゃんに話しかけた。



「さっきさ…最後のスターマインのとき、アヤちゃん俺に…」



わざと、じらすように言ってみる。



純情なアヤちゃんは真っ赤になって俯いている。





…かわいいなぁ。



かわいすぎて、ぎゅぅぅって…抱きしめたくなる。





「アヤちゃん、俺に…『マサキさん、老けてる』って言ったでしょ!?」




…あ。


元々大きいアヤちゃんの目が、さらに大きく丸くなった。







.
< 91 / 222 >

この作品をシェア

pagetop