好きだから、別れよう。



「そ、そんなこと言ってないです!!私は、『好…」



「え、なになに、『す』?」



アヤちゃんは真っ赤な顔に涙目で俺を見てくる。





…あんまりいじめるのもかわいそうだな。



でも、ちゃんと想いを伝え合いたい。





俺はポケットからキティちゃんのストラップを取り出した。




「じゃーん!見て見て、アヤちゃん!」



「わっ!かわいい!!」



アヤちゃんの緊張が解けたのがわかる。



「…キティちゃん、ほしい?」



「はい!!」



「じゃあ、スターマインのとき、何て言ったのか教えて?」



「……っ!?」











…キティちゃん効果、絶大。





アヤちゃんは俺から目を逸らし、俯いたまま…言ってくれた。



「マサキさん…好きです…」










なんか、ホッとした。






俺…また恋できたんだな。



俺…恋していいんだよな?










俯いたままのアヤちゃんの手に、俺はそっとキティちゃんを乗せた。







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