−桜色の運命−【短】
何処からか……

少し冷たいけど優しい風が花の香りを運びながら


“こっちだよ……
もう直ぐそこだよ……”


頬を撫でながら囁いて
通り過ぎて行くのを感じて


「ねぇ…
風の声が聞こえたよ。

こっちだって……

もう直ぐだって……」


あなたの手を強く握り締めて走りだした。

そんな私達を受け入れてくれるかの様に花びらが舞い降りて

穏やかな優しい風に運ばれる花びらに導かれながら桜色の世界に招かれた。
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