【短編】キミ×蜜×結
「何かおっきな猫みたい」



お茶を持ってきた沙紅



「コタツ…買おうかな」



そんなに気に入ったんだ



と台に乗せたままのオレの頭を撫でた



「本当に…誰もいないんだな。」



ふっと呟くと



困ったような、妙な表情をした



「私、両親いないの。」



え?



突然言われた言葉



両親、いない?



「おじいちゃん、おばあちゃんに育てられたんだけどね。おばあちゃんが、痴呆症になっちゃっておじいちゃんも足が悪かったから…今年から二人共老人ホームに入っちゃった」



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