君の隣
新学期
桜が舞う季節。
「行って来まぁす!!」
あたし、楠木 蓮(くすのき れん)は
今日で高校2年生になる。
玄関前で靴ひもを結ぶあたしに
お決まりの台詞が飛んでくる。
「遅い!!!早く!!」
そう言ってあたしを急かす
柊 一輝(ひいらぎ いつき)。
「早く寝ないから朝起きられないんだよ。」
いつものように笑う
白石 夙(しらいし なぎさ)。
あたし達は小さい頃から
何をする時だっていつも一緒だった。
「よしッ!準備完了!!お待たせ~。」
「お待たせじゃないよ!!今何時だと思ってんの?」
一輝にそう聞かれてあたしは
「今何時?」
と、夙に繰り返した。
「え?今?8時23分。このままだと遅刻だ。」
あたしと一輝に微笑んでくる夙。
「笑ってる場合か!急ぐぞ!!早く乗れ!!」
そう言われてあたしと夙は
いつものように一輝の自転車の後ろに乗った。