Secret love.
始まりの日
私は笹川 繭。
今日から高校一年だ。ちなみに、中学から仲のいい
佐倉 萌花と本条 祐介と同じ高校だ。
祐介は論外だ。
「繭!遅れてごめんね!」

そう言って頭の前で小さな手を合わせる萌花。

「大丈夫、でも遅刻だよ」

基本的私はザックリした性格で、思ったことをためらわずに口にするのがモットー。
そのため、悩みはあまりない。
逆に他人の悩みを増やしていると思う。
それと私は、腹黒だ。

「ごめんね〜っ!許してくれる?」

「いいよ、もう過ぎた事だしね」

と私は彼女に笑いかける。
すると、彼女も安心したのか笑みを返してきた。

「行こっか」

私が切り出すと彼女は腕にしがみついてくる。
なんだか、姉妹みたいだな、私等。
私が姉で萌花が妹。
やっぱ萌花は可愛いなとつくづく思う。


「よっ!笹川!」

「あ、祐介じゃん」

「おはよ!本条くん」

「あ、佐倉も居たんだ?」

「もう!なんでそんなことばっかり言ってくるの!?」

「いや、笹川がデカすぎて見えなかっただけ〜」

私はコイツが嫌い。
常識ないおまけにデリカシーのかけらもないんだから。

「祐介のバーカ!萌花行こっ」

「えっ!?あっ繭!待ってよ〜!」

私は萌花を放ってツカツカと一人で歩いて行く。
実は言うと私、身長のこと気にしてるんだ。
私の身長は170㎝。
ちなみに萌花は154㎝で祐介は179㎝。
明らかに私はデカイ。

告白して身長のことでフラれた数は数えきれない。
すなわち、身長=トラウマ、になる訳だ。

「はぁ〜やっと追いついた〜繭足早過ぎ〜」

「ごめん、萌花」

謝る私を必死にフォローしようとする彼女。

「大丈夫だよ!あれは本条くんが悪いんだよ〜」

「バカ。フォローしきれてないよ〜」

彼女に笑ってみせた。

「もう〜繭ってばキツイよ〜」

と苦笑いを浮かべて、ちょっとヘコミ気味の萌花。





「あ」





て気が付けばもう高校の正門だった。


「繭、着いちゃったね」

「だね。かなり早く着いちゃったね」

時刻は7時間半。

入学式は8時からの予定だ。
30分も何しとこうか…。



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