Secret love.
変わらず早く届く返信メール。

『お前ね、彼氏に向かってあんたはないだろー!俺は祐真だから祐真って呼べって言ったじゃん!あ、で、俺の誕生日は4月10日だよ』

あ、そういえばずっと『あんた』で通してきたよね。

『ごめん!てゆーか!今、メールしてるけど授業ないの?』


祐真が自分で『彼氏』って言ってくれてるんだから信じておこう。
どうやら、私は私が思ってる以上に祐真に大事にされてるみたいだ。



プリントに一切手をつけていない。
やばいよねー…。
怒られちゃうかも。いや、確実怒られる。
そのうえ、メールもしてるんだもん。


<ブブブブッ>

『その通り!今俺の授業はないのだー!』


あぁ、やっぱり。
そんなことだろうと思ったよ。

『のだー!』ってなによ、『のだー!』って。
お前は殿様か?
それとも変人か。


いいこと考えた!お腹痛いってウソ言ってトイレに行っちゃお。

「先生ー…お腹痛いんでトイレ行ってもいいですか?」

「あぁ、行ってきなさい」

「ありがとうございまーす」


思惑通りその作戦は上手くいったのだった。
私はゆっくり歩きながらケータイを見つめた。
返事まだ返してないな。
なんて返せばいいんだか分かんない。


<ドンッ!>

「きゃあっ!」

「きゃっ!」


なななな何だ!?何なんだ!?
イッテー!お尻の骨打った…しかも『グキッ』っていってたし!
誰だよ!?ぶつかって来た奴はぁっ!

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