Secret love.
「そう…だけど」

「ちょ…待って、意味分かんないし。どゆうことなのソレ」

「俺が好きなのは…笹川しかいない」

「じゃあ…萌花は遊び…?」

「…違う!遊びなんかじゃない…!!」

「じゃあなんなの!!!?」

「………からっ」

「え!?」

「お前を忘れたかったからだよ…!!」

次の瞬間私は壁に強く叩きつけられた。

「…っ!」

「…誰にもやりたくないんだ」

「放してよ!痛いじゃん!だから私は先生の……ンンっ!!?」

不意打ちのキスに私の体は強張った。
祐真とは違う荒々しいキス。何度も何度も祐介の胸を叩くけど止めてくれない。

私…どうすればいいっていうの?


「ゆう…す…っンンッ」

噛み付くように荒々しくキスをする祐介を私は怖く感じた。
今まで祐介のことは『気心知れた友達』としか思ってなかった。

目の前に居るこの人は誰?
こんな祐介知らない…。男の祐介なんか。こんなの親友の祐介じゃない…。いつもの祐介ならこんなこと絶対しない。
涙が溢れて一粒の雫を作り頬を伝い落ちた。

そして自然と唇が離れた。

「泣くなよ…泣かしたい訳じゃない…」

「…っ…ふぇっ…ぅっ」

祐介はブレザーの袖で私の涙を拭うと私を愛おしそうに見つめた。

「……考えてくれないか…?俺…本気だから」

「なんなんだよ…そんなの萌花が可哀相じゃない……」

「佐倉には俺から話すから…だから「私は萌花を裏切れない…」

「私は……ンンッ!?」


………また…。

「『無理』は言わせない…。考えといて」
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