Secret love.
なんであの時俺じゃなくあいつを優先したんだ…?
繭は俺の物なのに。
なんかムカつく…苛々するし…。
歳のせいか?俺より本条の方が繭と近いんじゃないかとか思ってしまうんだ。繭が好きなのは俺で俺が好きなのは繭だけ。

繭は俺だけじゃないのかな…?


「痛い!祐真、手首痛いから!」

連れて来られたのは前来たプレハブ。気を抜いた瞬間に壁に叩きつけられた。

「繭、なんで俺じゃなくて本条を選んだの?」

「い…た…っ」

掴まれた肩が痛い。切なそうに苦しそうな顔をして私を見つめてくる祐真。
罪悪感から祐真の顔が一瞬しか見れない。

「なんで顔背けんの?俺のこと見てよ」

「…駄目」

「繭、俺のこと嫌いになったの?」

「ちがっ…!!」

顔を上げた瞬間両手で顔を挟まれた。
なおも苦しそうな顔をして愛おしそうに私を見つめ続ける。

「じゃあなんで…?」

「祐介は…親友だか「そんなこと聞いてないよ」

私が傷つけたことには変わりはない。

「なんて言ってほしいの…?」

<ギュウッ>

「ゆ…ま…?」

「何も言わないでいいから、繭は俺だけ見ててよ」

「…祐真…」

「お願いだから俺から離れないでよ」

「……」

「繭は俺の物なんだから」

「ごめん、祐真」

そっと体を離し、正面で向かい合う。自然に顔が近くなってそして―――。
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