Secret love.









アイツだった。


私は思わず『あ!!!』って叫んでしまった。


「コラ、そこー静かに」

注意されてしまった。

さっき誓ったばっかりじゃねぇかよ!私のバカヤロー!!
あぁ、なんて私は薄情なんだ…。

そう思いながら、うなだれる。





へぇ〜…柳川って言うんだ。アイツ。




「えー、では気を取り直して話します。新入生の皆さん、そして新入生の保護者の方々、本日は入学誠におめでとうございます。入試という難関を乗り越えこの高校に入学なさるお子様方を保護者の方々は今まで傍で支えて来たことと思います。これからお子様方が快適で伸び伸びと学校生活を送られるよう私達職員は日々努力をしてまいります。本日は誠におめでとうございます。これで私柳川からの祝辞とかえさせていただきます」




うわぁ〜…。あの何も入ってなさそうな頭からこんなスピーチがでてくるとは…。


侮りがたし柳川。



でも少し見直したよ。ほんの少しだけだけどね。









そしてようやく入学式が終わった。


よーし。次はクラスと担任発表だけだよな。
確かクラスは七組まであるとかなんとか。
南校舎の掲示板を目指す。

「ね〜繭と本条くんと私、同じクラスかな?」

「そりゃ私にだって分かんないよ〜。でも同じクラスがいいね」

「だね〜」

「てか、それより先に担任だろ?担任が悪かったら俺等の一年終わってるし」

「あんたがもし同じクラスだったらそっちの方が私の一年終わってるよ」

「はぁ〜?コノヤロ、なめてんのか」

「へーへーそうですが。何か問題でも?」

「テメ〜この――…」



気付けばそこには柳川がいた。


「駄目だよ、君そんな言い方しちゃ」

は?誰に言ってんの?私?それとも、祐介?

「……私?」

「そのトーリ、君のこと。可愛いげがないでしょ?」

「はぁ!?余計なお世話だよ!バーカ!どっか行け!あっち行け!」

「ちょ……っ繭!?」

「だめー。俺も掲示板に用あるからね」

「知るかっ!バーカ!私掲示板見に行かないから!」

「お好きにどうぞー」

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