Secret love.
繭は元々俺には手の届かない存在だったのか…?

恋しちゃいけなかったか?



くそ……っ
繭を忘れたい…忘れてこの痛みから解放されたい。


だけど当然忘れるなんて出来なかった。





それから俺は何を話すわけでもなくおもむろに繭に電話をかけた。




1コール



2コール




3コール





4コール………



出ない。

仕方ないと割り切れるわけもなくひつこく何度電話をかけた。





「なんで出ないんだよ…っ」



俺はケータイをベッドに叩きつけた。


もうなんなんだよ…


意味分かんねぇよ…繭。
繭は俺とどうなりたい?別れたいのか?


……それとも…。





この先は考えるのが怖くなった。
もし繭に要らないって言われたら俺の心はどうなるのだろう…?

粉々に砕け散るだろうな。



「くそ……っ!!」




それで今日の朝、ドアの前で繭と会った。


だけど、当たり前のように隣には兄貴が…。

ははっ…馬鹿か俺は。なに喜んでんだろう。


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