秘密恋愛










自分も寒いだろうに、


何も言わずに上着をあたしに渡した健二。





あたしが泣き止むまでずっと


涙を拭っていてくれた健二。





あたしの涙を拭い続けたせいで、


余計に濡れてしまった体育着。








その優しさに、


ありがたさに、







たくさんの気持ちを込めて








『ありがとう』








そう、


健二の顔をまっすぐ見て、



あたしは言った。













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